A級品とS級品とN級品の違い よくある質問 時計についてご注意ください ご注文の前に必ずお読み下さい! なぜ中国企業には独自の高級ブランド力がないのか中国企業は「iPad(アイパッド)」や高速鉄道車両、世界最高レベルの通信機器を作れるが、豪華なハンドバッグは無理なように見える。 プラダからアップルに至るまで世界的企業が中国からものを調達しているのは本当だが、その品質で知られるような中国のブランド名を具体的に挙げることは難しい。これは高級品の分野だけに言えることではなく、自動車、スマートフォン、家電製品でも同じことだ。 画像を拡大する 閉じる この2人―Xiang Jing氏とQu Guangci氏―は信頼できる納入業者を見つけるのが難しことが分かった。2人は今年、材料にひびが見つかったことから、約200個の彫刻品を無駄にし、出荷を3カ月ほど遅らせなければならなかった。この工場は同じ納入業者から何年にもわたって買い入れていた。 中国で質の高い職人技を見つけるのも難しい。それが時計や宝飾品といった複雑なものの場合は特にそうだ。ギヨーム・ブロシャール氏が2004年に宝飾ブランド「キーリン」を共同創業した時には、信頼できる作業場を中国で見つけることができず、フランスで製造することになった。 現在は仏高級品グループ、ケリングの一部門となったキーリンの最高経営責任者(CEO)を務めるブロシャール氏は「中国では賢い人は高リターンを生み出すために時間のかかる事業に関心を持たない」とし、「もっといいビジネスチャンスがあるからだ」と述べた。 これはまた、忍耐の問題でもある。一部の人は、高級ブランドを生み出すには忍耐がカギになるとしている。仏ケッジ・ビジネススクールの副学部長で、上海の中国国際工商学院で教えているミシェル・グートザッツ氏は、中国企業は3年間でそのブランドを成功させようとするが、高級ブランドを作るには15―30年はかかると指摘した。この分野で成功した企業は極めて多くの利益を得ており、純利益率は25%程度に達するが、販売量は通常少ない。 それでも中国のブランドには重要な利点がある。コンサルティング会社マッキンゼーのパートナー、ユバル・アツモン氏によると、同社の調査では富裕な中国人はより中国的な物に対して強い好奇心を抱いたり欲しがったりするという。同氏は「全ての条件が同じだとすると、中国人は中国ブランドを好む」と語った。 西側の高級ブランドでは、職人は同じ製品を何十年も扱うが、中国の労働市場ではこのような安定は得られない。コンサルティング会社ローランド・ベルガーによれば、中国の年間転職率は19%と、ドイツの5%を大きく上回っている。これはノウハウの損失であり、生産性の低下を意味する。 X+QのQu氏は「西側社会は安定しており、物事はゆっくり動くが、中国の人々は早く金持ちになろうという思いに突き動かされている」と指摘した。同氏は、利益追求のために会社を作っているのではないと話すが、会社を作る前には、これをいつの日か上場することを考えて興奮していたという。同氏はもっと信頼できる納入業者を見つけるのにもう少し資金を出すことができる。というのも、同氏の粗利益率は90%と、エルメスやプラダのそれを既に上回っているのだ。 高級ライフスタイルブランドのShang Xia(シャンシャ)を立ち上げたJiang Qiong Er氏は、仏エルメス・グループに加わったことで、非常に長期的な考え方ができるようになったと述べた。シャンシャの中国製カシミアコートは6000ドル(60万円)以上する。同氏は「その代償を払い、忍耐があれば、中国で良い職人を見つけることはまだ可能だ」と話している。
|
|